【本】首相の蹉跌


首相の蹉跌
清水真人 2009 

東洋経済 2009 政治書 BEST 10 首位。『経済財政戦記』『官邸主導』を書いた日経 編集委員による小泉~麻生時代の総括。400ページ。結構時間がかかりました。それだけ内容が濃い本です。

最高権力者である首相がなぜ行き詰まってしまうのか。それは、政治の新ルールを理解できず、いつのまにかボタンを掛け違ってしまうことにあります。それは、小選挙区制度導入による「ゲーム」の「ルール」変更を確認することでもあります。

小泉首相は、マニュフェストを前面に出して、新しいゲームのルールを最大限に生かしました。一方、安倍内閣は、マニフェストを生かせず、大臣と首相補佐官による命令系統の混乱により自滅した。

次の焦点は、早くも来年の参議院選挙ですが、イギリスの「ソールズベリー・ドクトリン」p.74 というのを知りました。これだけ手間がかかる民主主義の意思決定を迅速に行うためには、さまざまな工夫があるんですね。
では。

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【参考】
・清水真人氏インタビュー(東洋経済