Boys be foolish

40分経ってもバスは来なかった。マドリードの日の出は7:30AM。真っ暗な寒空の下、私はいつ来るかわからない空港行きのバスを待った。
怒りが頂点に達する私をよそに、スペイン語を話す6人家族の会話は絶えなかった。アルゼンチンから来たのだろうか。おばちゃん2人がずっと話し続け、お父さんはバスが来るであろう先を見ていた。
¿Cuánto cuesta el autobús?

ようやくバスが見えた時、おばちゃんが私に聞いてきた。どこからどう見ても東アジア人顔の私にバス料金を聞いてどうすると思いつつ、

Uno cincuenta. (1.5ユーロ。文法的に間違っているが、原文のまま)

と答えてしまった。

最近、人の名前が覚えられなくなったが、30歳で南米一周した時に覚えたスペイン語は、まだ口から出てくる。日本人の若者を海外に送り出すというのは、本当に重要なのだ。

カルチャーマップでは、各国の時間の感覚の差を教えてくれる。日本人は時刻を守るが、ラテンはおおらかだ。その理由も思い出した。何事も時刻通りに動かない社会では、面会の時刻をPunctualにできないのだ。バスが時刻どおりに来ないぐらいで怒っていたら、人生が進まない。

もうひとつ、ローコンテキスト文化になる。道に迷った時に、外国人に聞く日本人は少ないだろう。外国人は土地勘がないという文脈を読んでから、質問するかしないかを判断するからだ。

駅の電光掲示板では1番線に列車が来ることになっているのに、アナウンスで2番線に変更になりましたと言われ、結局3番線に来ることがある社会では、目の前の人に質問しないと、反対方向の列車に乗りかねない。

日本の学生が留学したら、まず、「バカになれ」と言わなければならない。日本では恥ずかしくて聞けないような初歩的なことを目の前の人に聞かないと、外国では生きていけないのだから。

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