野口 悠紀雄 新潮社 2017/5
野口先生の歴書書。塩野七生さんの本を全巻通読する人は、そちらがおすすめ。1冊で済ませたい人は、この野口先生の本を読むという手も。
本書は、ローマ帝国、海洋国家の勃興、現代の情報革命を論じることで、稼ぐ仕組みの変遷を追っています。印象深いのは、やはりローマ。特に、アウグストゥス。行政官としての能力の高さが際立っています。経済が落ち込むと、偉大な帝国ですら持ちこたえられません。
日本が学ぶべき教訓として、異質を受け入れる勇気をと唱えていますが、どうでしょうか。
海洋国家では、喜望峰を発見したポルトガルが、コロンブスのオファーを断った話が載ってます。資金不足にしては、あまりにもったいない話でした。
現代の情報革命では、「ビジネス史上最も愚かな決定」の話が興味深かったです。当時のウェスタンユニオンは、電話の将来性を見抜けませんでした。いま、ブロックチェーンを何に使うべきなのか我々がわかっていないのに似てますね。
では。