【本】ローマ人の物語 (6~7)

勝者の混迷
塩野 七生 新潮文庫 2002/9

カルタゴに勝利したローマの次なる敵は、自分自身でした。貧富の拡大を改革しようとしたティベリウス・グラックスは、殺されました。反対派を一掃できたスッラでさえ、彼の死後に体制は崩壊します。その後を収拾したポンペイウスも、同じ運命に。100年単位で見ていくと、盛者必衰。政治は貧富の差をめぐって、延々と続くのがわかりました。

個人的に興味があったのが、会計検査官(クワエストル、Quaestor)。p.32

軍団つきになると会計検査のみが仕事でなくなる。軍団に必要な全ての物資の調達から、兵士たちへの給料の支払い、その他にも、戦闘の指揮以外の軍団運営のすべてが彼の肩にかかってくる。

ローマは、指導者予備軍の若者には必ず経験させる習慣があったとか。今の企業は、会計・ロジの訓練を幹部候補に施しているでしょうか。