イギリスに来ると、物乞いが多いのに毎回閉口します。格差を容認する絶対核家族の厳しさですね。
無料紙はイギリス社会を知る鏡。METROはいまだに500万人の読者がいます。今回は、9月4日号を読んでみましょう。
一面トップは、北京での3者会談。習近平、プーチン、金正恩を「Mr. Missile」と名付けていた。相変わらずコピーがうまいですね。
下段は、英国労働党アンジェラ・レイナー副党首氏の税金問題(A no-Rayner)。自宅売却時の「印紙税」などをきちんと納付しなかったのではないかという疑い。本人は潔白を主張しているものの、労働党政府にとって、大きな政治的危機となっています。
扉はTESCOの広告。フリーペーパーはイギリス最大のスーパーのとってドンピシャの媒体ですが、なぜか今回も「finest」な食事の全面広告。ディスカウンターに押されて、同社のブランドを高めようとしているのはわかるのですが、効果が上がっているのでしょうか。
5面にCoopが王道の「ピザの£5キャンペーン」をやってますし、Aldiは9、11面でエンチラーダとチーズの全面広告(£1.59、40%割引)です。セインズベリーズの店舗に行くと、「Aldi対抗しました」と値下げをしていました。厳しいインフレ社会を生きるイギリスの労働者階級にとって、一番の要望は価格だと思うのですが、テスコはこのまま行くのでしょうか。
13面は、アナスタシアのコンサートの宣伝。2026年9月です。チケットは£60(12千円)からと安くはありません。日頃節約するが、サッカーとテイラー・スウィフトのコンサートは大枚はたいてでも行くというのが労働階級なのでしょう。
その後、記事は順調に下品になっていき、p.21はブラの宣伝。
p.22 は格安旅行の記事。欧州で最も割高な都市、エディンバラを£98/2日で旅するというのが読者の心を打つのですね。
p.25は、リョービのパティオクリーナーの広告。日本企業が、こうしてイギリスでマーケティングするのは素晴らしいです。
p.28 タイタニック発見40周年コインの広告
怪しさ全開で、一瞬見紛いますが、”Approved by His Majesty the King” の文字。チャールズ晃央は、ウェイトローズでクッキーブランドを作ったりするんですよね。郵送で申し込むようになっており、高齢者が目に浮かぶようです。
新聞を読むだけで、庶民の暮らしが垣間見えるわけで、イギリス労働党が容易に緊縮財政に転換できないのはよくわかりました。