保護貿易と熟練工

トランプ政権について、トッド氏が分析していました。

「トランプ大統領は失敗するだろう」 エマニュエル・トッドが示す「経済問題」「ドル覇権」二つの根拠 | AERA DIGITAL(アエラデジタル) | AERA DIGITAL(アエラデジタル)
米大統領に再就任したトランプ氏。大統領選の圧倒的な勝利の背景には何があるのか、トランプ政権は今後どうなるのか。エマニュエル・トッド氏の独占インタビューを2週にわたって掲載する。「上」を掲載したAE…

米国で保護主義が成功しない理由として、リストを引用していました。

フリードリッヒ・リストは、保護主義がうまく機能するために最も必要なことは熟練労働者の存在だと言っています。ところが、今のアメリカはその熟練労働者がいないのです。

リストがそのようなことを言ったのは知りませんでした。Das nationale System der politischen Oekonomie をAIに読み込ませて聞いてみると、

リストは国民経済の発展において、熟練労働者とそれを育成するシステムの重要性を強調しています。

とのことでした。

オランダ病のリスクにも言及していますね。LNGの世界最大の輸出国になりましたし、ドル高で工業の競争力が失われるリスクはたしかにあるなと思いました。

ドル覇権こそが米国内の産業の発展を妨げているのです。つまり、高学歴の人々の多くが、こういったドルの源泉に近い仕事にどんどん就いていくわけです。エンジニアよりも、金融といったセクターの仕事に就くという流れがあることによって、アメリカのエンジニア不足という問題は決して解決されずに問題は深刻化して、失敗し続けるアメリカというものを持続させてしまうというわけです。

日本に置き換えて考えてみても重みのある言葉でした。

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