【本】ローマ人の物語(4)

ハンニバル戦記(中)

塩野七生 新潮文庫 2002/7

ハンニバルのアルプスを越えの巻。日本は『40歳が社長になる日』でアクセクしてますが、ハンニバルは若干29歳。75万の兵を動員できるローマに対し、2万6千の兵で戦っていきます。

後半は、ハンニバルとスキピオとの勝負。補助線となっているのが、アレクサンダー大王というのが、興味深いです。

天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見えていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。p.127

アルプス越え作戦の衝撃を現代にたとえると、9.11のようなものでしょうか。現代の北朝鮮にハンニバルがいたら、「アルプス越え」は何に相当するでしょうか。日本人が全く重要性に気づかない盲点をついてくるに相違ありません。ロケットに目を奪われていると危険ですね。

しかし、日本人が学ぶべきは、カンナエの戦いで大敗しながらも、ねばったたローマではないでしょうか。もちろん何年も時間はかかっていますが、無駄な内紛を避けて国力を立て直しています。

では。