Goldenがビルボードで1位になりました。

渡しには、『コーラスライン』と重なって見えます。50年前にJames Kirkwood Jr.が描いたのは、ブロードウェイという夢の舞台に立つために、無名のダンサーたちが人生を捧げる姿でした。半世紀後、その舞台はソウルの練習室に移りました。
K-POPの練習生制度はシステム化され、夢を追って競争する若者の姿と、一握りの成功という構造は、世界中の人の心を打ちました。
項目 | コーラスライン | Huntr/X |
---|---|---|
メディア | ミュージカル | アニメ |
主題歌 | “What I Did for Love” | “Golden” |
作曲家 | マーヴィン・ハムリッシュ | Ejae, Mark Sonnenblick |
歌手 | オリジナル・ブロードウェイ・キャスト | Ejae |
プロデューサー | ジョーゼフ・パップ | 24, Ido, Teddy, Ian Eisendrath |
時代背景 | 1970年代、ブロードウェイの黄金時代 | 現代、K-POPのグローバルな隆盛 |
初演 | 1975年 | 2025年 |
技術 | アナログレコード、ラジオ、テレビ | インターネット、SNS、ショート動画 |
2つのエンターテイメントを比較することで、半世紀の変化を実感できるでしょう。一つはアジアの隆盛です。
December 5, 4642, the Year of the Chicken
全く英語が聞き取れない中、Connie Wong役のこのセリフだけは聞き取れました。オリジナル・キャストのBaayork Leeは、ニューヨークの中華街出身で、酉年だったんですね。まだ、アジア系がエンターテイメントの世界に入ることすら難しかった時代で、このキャスティング自体が、挑戦的だったと言えるでしょう。
それが現代では、韓国語の歌がチャートの1位になりました。アメリカもアジアに目を向け始め、フラットな視座で文化を楽しめる時代になりました。
次がアニメの浸透です。当時、カートゥーンは子ども向けであり、大人のエンターテイメントになりえないものでした。その後の漫画家や関係者の努力により、アニメは世界的に普及しました。韓国のアニメの劇中歌がそのままヒットする時代になりました。
最後がネット上のコラボですね。どうやって作業したのかは知りませんが、プロデューサーが5人いますね。世界的なヒットになった構図はLet it goに似てますが、国境を超えて協業しているものと推察します。ブロードウェイの舞台を見れるのは一生に一度あるかないかという時代では考えられないやり方です。
2002年ごろ、これからはネット上で協業して音楽を作るようになると某レコード会社の方に言ったら笑われました。21世紀に入っても、それぐらいの認識であったわけです。コロナ以降のネットの変化は速いと思います。
50年後はどんな音楽作りになっているでしょうか。