【本】総理の誕生


総理の誕生

阿比留 瑠比 2016/12

産経新聞論説委員の安倍首相ルポ。20年にわたる安倍首相の動向を2時間で追うことができます。

意外だったのが、第一章 実は出世は遅かった。小泉首相に抜擢された印象しかなかったのですが、当選当初は、風当たりも厳しかったのがわかりました。

今になると、冷静に振り返られるのが、第3章の小泉訪朝の下り。もしも、拉致を不問に付し、経済援助をしていたら、核開発は加速していたかもしれませんね。

これまた、今になると、冷静に振り返られるのが、第七章 橋下徹コネクション。下野した自民党は、民主党と連立を組もうとしていたのを忘れておりました。この時安倍氏は、離党も視野に入れていました。

第一次安倍内閣の反省が語られるのは、第八章 経済という切り札。シンガポールに暮らしていると、安全保障が国家にとって最も重要なのは当然なのですが、経済が政権維持の一丁目一番地なのがわかります。

安倍内閣の外交た巧みなのは、第9章以降でよくわかります。

先日の山口 敬之記者の『総理』と並んで、安倍内閣を理解するための1冊でした。