【本】偽りのホワイトハウス

偽りのホワイトハウス 元ブッシュ大統領報道官の証言
What Happened:
Inside the Bush White House and Washington’s Culture of Deception

スコット・マクレラン 朝日 2008/10

ブッシュ大統領報道官の回顧録。著者は、2000 年の大統領選挙で遊説担当報道官、大統領就任後は副報道官、2003 ~2006年は報道官として働きました。ブッシュ大統領を間近で見てきた側近であるがゆえに、政権のゆらぎがよくわかる本になています。いまは、オバマ一色ですが、ブッシュの8年を総括するには、よい本だと思います。

いろんな読み方ができると思いますが、印象に残ったのは、次の2点。
「パーマネント・キャンペーン」
選挙(キャンペーン)後も、選挙期間中同様、国民の支持をえようと情報をを操作しようとすることとでもいいましょうか。オバマ大統領も、選挙期間中と同じようなウェブ運営whitehouse.gov で続けています。

民主主義のコストとでもいうべきものですが、こういう操作が日夜行われているということ認識した上で政治を見る必要がありますね。

コミュニケーション
本書のハイライト、Valerie Plame CIA身元漏洩事件では、大統領のコミュニケーション手法に触れた部分がありました。直感型で側近を重んじ、One to Oneのコミュニケーションを好む場合、情報の非対称性が強くなり、チーム内に疑心暗鬼が広がったのがよくわかります。

最後に、著者が引用しているウッドワード氏(ニクソン政権の隠蔽工作を取材)のアドバイス。

第一に、疑わしい行為があれば、事実関係がどうであれ、できるだけ速やかに完全にそれを発表すること。第二に、検察官や上下両院議員、記者など第3者に調査させることで、疑惑や闘争を永続的に固定化させないこと。

これが難しいのですね。
では。

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