1年3ヶ月ぶりにジャカルタに行きました。ちょっと不安になることがあったので、メモです。スカルノ・ハッタ国際空港を降りると、第3ターミナルが見えました。2016年8月開業。フル稼働ではないようですが、今のインドネシアを象徴する投資。空港への鉄道も建設中。
市街に出ると、都市高速鉄道(MRT)の工事がだいぶ進んでいました。南北線だけでなく、東西線も今回、見れました。
中国が受注したジャワ島の高速鉄道の他に、ジャワ横断鉄道への協力を日本に要請しています。
発電所の建設も続いており、インドネシア最大規模になるパティンバン港建設も着工。まさに、エンジン全開。しかも、2019年の大統領選挙に向けて、お尻をそこにもってきています。
そこへ、外国人の不動産(住宅用)投資規制を緩和。首都中心部の不動産価格高騰は、アジア各国共通ですけど、ジャカルタ周辺部の土地の上がり方は、もはや収益で正当化できないレベルです。
海外からインドネシアへの直接投資の対GDP比率は、下図の通り。
過去35年では、大体2.5%を越えると、危なっかしくなっていました。軽自動車で100km/h 出すと、ちょっと怖いという感じでしょうか。
比較で中国を重ねて見てみましょう。
この図を見ると、中国の凄みを理解できます。92年に2.5%を超えた後、2014年まで22年間に渡って、海外からの膨大な投資を受け入れ、管理してきました。これは、優秀な官僚組織がなければできないワザです。上海は93年まで地下鉄がありませんでした。そこから20年かからずに総延長で東京を抜きました。ジャカルタにまだ地下鉄がないのとは対照的です。
まとめますと、インドネシアに対する直接投資はGDP対比で見れば、異常ではありません。しかし、この高水準を維持するためには、優秀な官僚機構が、10年単位で投資の流れを管理しなけれなりません。2019年に向けて各プロジェクトが進むのは、よいのですが、選挙後の2020年の反動をさばけるのかに注目しています。
では。