【本】影の権力者 内閣官房長官菅義偉


影の権力者 内閣官房長官菅義偉

松田 賢弥 講談社 2016/1

安倍政権を理解する1冊。安倍首相の在任期間は歴代5位になりました。

その内閣の官房長官について語っています。著者は、政治全般をカバーしているため、他の政治家の話も数多く出てきますが、官邸の意思決定の様子がわかります。

序盤は、その生い立ち。印象的なのが、秋田。満州開拓団との関わりと、出稼ぎ。集団就職した同級生との関係。法政大学での出会いは、こちら。

菅より2年遅く法政大学法学部に入ってきたのが、沖縄県立那覇高校出身の翁長雄志だった。翁長は1950年生まれ。それから43年後、沖縄県知事となった翁長は菅と沖縄・普天間飛行場の辺野古移設問題で退治することになる。p.85

長男が農家を継ぐという掟を破って、横浜市議に出馬した経緯。叩き上げの人生を淡々と描いています。

第4章では、梶山、野中官房長官との関わりが描かれています。非主流派にいたことを思い出しました。

第5章が、総裁選での動き。小泉さんもそうでしたが、「主流派」そのものが自民党で揺れ動き、総裁選の戦い方が変わってきているのがわかります。

第6章では、現在の問題に対する取り組みの一部が紹介されています。現実主義な官邸の取り組みが読み取れました。

では。

【参考】
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47488