【本】天才

天才
石原慎太郎 2016/1  幻冬舎

かつての政敵を一人称で描いた小説。一部の事実関係はともかく、構想力、表現力には、さすがです。

今太閤と呼ばれたことがあっても、有罪判決を受けた元首相を朝ドラや大河ドラマにするわけにはいきません。しかし、それに近い追体験をする手法として、一人称の小説があったかと、衝撃うけました。しかも、すべて実名で書いてあり、プライベートの際どいことまで描かれています。普通の小説家では、リーガルリスクに耐えられないでしょう。長きにわたって政界に居た実績+幻冬舎だからこそ、出版できてしまっています。
昭和の話とはいえ、最近の「ゲス」話も、スケールが小さく見えます。シンガポールで読むと、田中元首相は、現在のアジアの首脳とも話合っただろうなぁ、と想像してしまいます。日本も、ついこの前までは、こういうリーダーが居たんですけどね。

では。