【本】大臣 増補版

大臣 増補版

菅直人 岩波新書 2009/12

内閣総理大臣の国家統治論。『日本の統治構造』と並ぶガバナンス論の名著。現役首相の考えを知る上でも有益。

98年版に、今回の政権交代、、イギリス議会政治の視察報告などを加えてあります。

内容は、日本の行政(立法)制度の論点を網羅しており、かつ、大臣の経験に裏打ちされているので説得力があります。具体的には、国会は国権の最高機関である。(憲法41条)と強く捉え、単なる立法府以上の役割を期待。一方、行政権を国会から切り離して考えようとする官僚に対しては「統帥権」という強い言葉で非難しています。

憲法を初めとした法律の解釈も適度に織り込まれており、専門家でなくても、どの条文が論点になっているのかもわかります。

分析は、この本で示されているわけで、あとはトップとなった自分がどう日本を変えていくかですね。

家族類型的に言うと、長州出身の菅さんが、イギリスの政治制度を高く評価するのも頷けるところがあります。

では。

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