清水草一 扶桑社新書 26
格差社会については、『下流社会』などを紹介しました。本書は、その格差が本当に不幸なのかという問題意識のもとに、さまざまな例を紹介しています。取り上げられている例は、車、別荘、クレジットカード、外国人、生活保護などです。
ベンツ保有率No.1の港区に対して、軽自動車保有率ナンバーワンは高知県。車をステータス・シンボルと見るか、移動手段と見るかの差が、よく伝わってきます。
生活保護率で1位が大阪市西成であるのに対し、最低なのが富山県。これも、同じ日本人なのに、人生に対する考え方が対極なのが新鮮です。西成がラテンぽく、その日を生きているのに対し、富山は非常に保守的ですね。それが、住みやすさ日本一につながっているのでしょうが。
政治のスローガンとして、ただ、格差を是正すればよいというのではないことだけは、よくわかりました。
では。
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