I.初日
1.ウラジオストック市街へ
機外に出ると、吐く息が凍る。11月のシベリアの風は冷たい。待っていたバスに乗る。乗客全員が乗るまで10分ぐらい待つのに、走ったのは15秒程度。暗くてわからなかったが、歩ける距離だったようだ。こういうところは昔と同じお役所仕事。
入国審査で3列に並ぶ。階段にかかる看板に「乗り継ぎ」という日本語あり。10年前、陸路で入国した時の申請書がロシア語表記だけだったのを思い出す。入国審査は、十分に遅いのだが、ロシアだとそうだろうなと許せてしまうのが不思議。
荷物を受取る。カバンは埃だらけ。ロシアのバック・ヤードで働く人の環境は今も良くないではないか。
バスで市街へ。ウラジオストック空港は、ウラジオストック市にはない。市街までは40km。バスで移動。路肩には雪が見える。
2012年のAPECに向けて、1000億ルーブル(3000億円)が投資されているそうで、空港から市街への道路はそこら中工事中。日曜の22時だというのに、土砂を積んだダンプが通過する。20年前のバンコクのような風景。
市街に近づくと明かりも看板も増える。看板は韓国企業(LGなど)。これまたアフリカ縦断した時のことを思い出す。日本人の来ないところで韓国企業が頑張っていると、10年ぐらいでその商品での日本企業の地位が脅かされる。
2.為替
ヒュンダイ・ホテルに到着。銀行の為替レートが興味深い。
ユーロのスプレッド(TTS-TTM)が0.52%になっている。ロシアがユーロ圏になりそうなシャープさ。ドルが1.06%は妥当としても、日本円が3.66%というのは頑張っている。ウラジオストックは円で購入するものがあるのではないか。シンガポールドルが10%を超えているのに比べると、その差は歴然。
面白いのは、元とウォン。韓国系のホテルにもかかわらず、中国元のスプレドの方がシャープ(4.58%)。韓国メーカーが進出してはいるが、物を購入しているのは、中国からなのかなと邪推する。
