Ⅴ.ラッピング・コンテナ
それにしても、コンテナは船主の名前が書いてあるだけでなんとも味気ない。広告スペースとして売り出したらどうだろう。山手線のラッピング電車があるなら、ラッピング・コンテナも悪くない。これまでは、一度船に積まれたら1ヶ月以上人目に触れることはなかった。しかし、シベリア鉄道直結になれば、1週間、9000kmにわたって、地上を走ることになる。かつ貨車から降りれば、トレーラーにつなげられて、ヨーロッパの町を走ることになる。ロシアでブランドを高めたい日本車メーカーなら、検討に値するのではないか。
シベリア鉄道ならではの表現もできそうだ。1貨車2文字で70台貨車をつなげて、Twitterするとかどうだろう。列車がシベリアの大地を疾走する姿をYouTubeすれば、貴重なつぶやきとして人気がでそう。新聞記事になるだけで、もとが取れる。
よく考えてみたら、一般の人でも利用があるかもしれない。富山県の結婚式場組合は、抽選で??組に、シベリア鉄道広告枠をプレゼントしてはどうか。
二人の写真、名前、Just Marriedの文字をラッピング・コンテナを伏木港に置いておく。その前で新郎新婦記念撮影。コンテナは、船に載せられ、ウラジオストックへ。そのあとシベリア鉄道でモスクワまで9200km疾走。途中駅に固定カメラが設置されており、本当に貨車がシベリアを疾走している姿をYouTubeで確認できる。結婚の挨拶、年賀状にしてもよし。年賀のビデオレターとして加工する人も出てくるのでは。プラチナリングを買った記念に宇宙船にメッセージを載せるよりも、競争力はありそう。与謝野晶子が鉄幹に逢うために乗ったように、シベリア鉄道はロマンチックなのだから。
金の車をきしらせよ。
颶風の羽は東よりいざ、こころよく我を追ヘ。
黄泉の底まで、泣きながら、頼む男を尋ねたる、その昔にもやる劣る。
晶子や物に狂うらん、燃ゆる我が火を抱きながら、天がけりゆく、西へ行く、巴里の君へ逢ひに行く。
与謝野晶子
それにしても、あの当時、シベリア鉄道で女性をパリまで引き寄せる鉄幹とは、海老蔵もビックリな人だったのだと思う。