オランダ内閣総辞職からの学び

 テレ朝の記事の続きになりますが、批判ばかりしても能がないので、自分がテレ朝のディレクターだったら、どういう内容にするか考えてみました。

 「21世紀の戦争と移民問題」

でしょうか。

 日本の視聴者の関心を呼ぶには、右表のようなアナロジーで関心を高めると思います。

 もしも、米中戦争が起こったら、日本はオランダと同じ支援国になり、隣国からの距離は、わずか110km ですよと。

 戦争当事国は、死者が増えて厭戦気分が高まった、財政破綻、敗戦したとか、わかりやすい原因で政権が倒れます。

 しかし、(民主主義の)支援国の政権が倒れる原因が、実は移民問題だったというのは、実に示唆に富んでいます。オランダも、F-16を供与するお金があれば、困っている国民を救えという声はあります。しかし、オランダの有権者は、民主主義を守るのには、コストがかかることを理解していますので、ルッテ政権は13年も続きました。

 自由と民主主義と守るという大義と、そのコスト(移民流入)のバランスが崩れた時、政情が不安定になりました。ハンガリーのような強権的な政権であれば、単純に移民を受け入れないで済ませます。弱者に寄り添う民主主義国家であればこそ、このような政権の最後になったとも言えます。

 たとえば、台湾戦争が始まり、台湾政府は65歳以下の男子の出国を禁止。台湾の人口23百万人の2割、5百万人が難民として出国したとしましょう。1百万人ほどが日本に来るのではないでしょうか。2022年度の難民認定は200人ほどですが、どうやって対応するのか。

 メディアやSNSでは連日、台湾での戦闘映像が流れるでしょう。未来の戦争でいうところの透明化ですね。難民は女性と子供だけですので、民主主義国家は追い返すわけにもいかないでしょう。飛行禁止になるでしょうから、脱出は船ですね。人口1600人の与那国島に、この人数が殺到したら…

 入管法改正であれほど揉めるのですから、対応できるわけがありません。オランダがどれほど難民に寄り添ってきたかも、参考になるでしょう。そこまでやってきたのに、いま、限界が来ているのです。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000306869.html

 という分析で終わるのは、もったいないと思います。

 

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