Too late too little

共同通信のタイトルは、誤解を招きそうなものでした。

エラー

これ読んだら、読者は、EUへの食品輸出に制限がなくなったように思わないでしょうか。解除されたのは放射能関連で、これは、「Too late」なものです。もっと早く解除を交渉してもよいものでした。

EUは2021年に、食品に関する規制を「強化」しているのです。

EUにおける新たな混合食品規制への対応について:農林水産省

オランダに住んでいる実感としては、最近、日本食品が入ってこなくなったと感じています。

そもそも、食品の貿易で、日本は大負けしています。

 2022年、EUは日本に€7,758百万の食品を輸出しました。1€=150円とすれば、1兆1637億円です。日本からの輸入は€489百万(733億円)に過ぎません。16倍近い差をつけられています。混合食品に対する規制でがっちり域内の農業を守っているので、今回のような規制の解除はノーダメージなわけです。

 私のような民間が、がんばって日本食を欧州で売ればいいわけですが、メディアもちゃんと欧州を取材して、記事を書いてほしいです。

 岸田さんも、16倍はひどすぎるとして、日本の食品加工工場がEU基準を満たす交渉をしてはどうでしょうか。たとえば、日本でHACCPの認定を受けていれば、EUに輸出してもよいとか。当然ごねるでしょうけど、EUも、日本の基準を認定した工場で加工しないと、日本への輸入を認めないぞと言えばいいだけです。

 せめて、シンガポールなみに、日本食品がEUでも輸入できるよう、頑張っていきませんか。