年末・年始のごあいさつ 2021-2022

2021年レビュー

政治経済

 2021年コロナな年でした。まさか、「」と書くとは思っていませんでしたが、コロナな年で終わってしまいました。オランダ政府は冷静な対応をしていましたが、最後の最後でロックダウンです。2年連続クリスマスを祝えなくなったオランダ人の悲しみはどのようなものでしょうか。

 国際政治は多極化が進んだ年でした。バイデン政権が国際協調路線に戻りましたが、アフガン撤退は敗戦処理のようでした。ブレクジット後の欧州はメルケルが去り、さらに内向きに。ロシアはそうした動きを見逃さず、ウクライナに圧力をかけています。

 欧州に住んで国際政治への関心が高まりました。ウクライナで戦争が始まれば、国外脱出を考えなければなりません。オランダがロックダウンになれば、ベルギーに食事に行く選択肢もあります。陸路の国境のない国に育つと、そういう感覚を持たないことを実感しました。

仕事

 一年を通してオンラインで働きました。2001年の同時多発テロは、飛行機搭乗を変えました。コックピットはロックされ、液体は機内持ち込みができないままで、元に戻ることはありません。

 私の働き方も、元には戻らないと覚悟しました。オランダに移ってきたのに、古巣のシンガポールなどからお仕事いただけるようになりました。そういう時代なのだと理解しました。

 PMI(合併後の統合作業)の研修の仕事をいただき、これまで自分が取り組んできたことを整理することができました。欧州は、異文化コミュニケーションを学ぶのに最適の地です。価値観の違う民族がこれほど近接して住んでいる地域はありません。そのせいで、2度も世界大戦が起こり数千万人という犠牲が出ました。

 ここで学んだ異文化コミュニケーションを日本企業に伝えることが、いまの日本には重要なことだと思うようになりました。社会人としての最後の10年はこれに取り組んで行こうと思います。

個人

  2年ぶりに日本に戻りました。食事がおいしいのときめ細やかなサービスは相変わらずでしたが、2年の鎖国で世界との距離がまた、離れたように思います。

2022年

政治経済

  多極化は続くと思います。スキッとしないニュースが続くことでしょう。

 ネットでは米中対立を煽る記事が目立ちますが、友人に聞く限りではデカップリングは起こっていません。ソ連は共産主義を世界中に広めていましたが、中国がイデオロギーを広めているようには感じません。自国の14億人を食べさせるために、食料とエネルギーを必死に確保にしている。そのための政治工作が下手すぎて、反感買ってしまっているのではないでしょうか。

 人口オーナスに入っていることもハッキリと見えてきました。今の日本が年老いた国になったように、中国も何年か後に同じ様になるのは必定です。そこまで暴発しないようにコントロールするのが日本の最重要課題ではないでしょうか。

仕事

 引き続きオンラインで働いていきたいと思います。昨年初めた異文化コミュニケーションを教えていくこともやっていこうと思います。日本の若い才能に海外で活躍してもらえればと思います。

個人

 コロナにめげずに欧州各国を回りたいと思います。今の日本に欠けていることを最も学べる地域であることに間違いはありません。21世紀の岩倉使節団の一翼を担えればと思います。

 2022年も、よろしくお願いします。

 藤井堅三