門倉貴史 宝島社新書(273)
ワーキング・プアと呼ばれる人たちのインタビュー集。貧困層といっても、さまざまな人がいることが、肉声を通じてわかりました。
いくつか、新しいデータが紹介されています。2006年の民間給与実態統計調査(2006)の数字はこちら。
日本の給与所得者 4485万人
年収200万年以下の人1023万人
1千万人を超えたのは21年ぶり。比率は22%に達しています。総務省統計局の労働力調査の数値はこちら。
15歳以上の労働力人口は、5174万人。
非正規雇用の労働者の数は、1732万人(過去最高)。
そのうち77%は年収200万円未満。
東京都23区の生活保護の年間受給額は、194万円。働いても、それ以下の収入にしかならない人がこれだけいるのですね。本書のインタビューを通じて、貧困が、晩婚化や、犯罪の増加といった問題につながっているのがわかります。
大阪で個室ビデオ店放火殺人事件が起こりましたが、単純に異常な個人の犯罪で片付けられない問題なのだと思いました。
では。