【本】闘う経済学

闘う経済学―未来をつくる公共政策論入門闘う経済学―未来をつくる公共政策論入門

竹中平蔵 集英社インターナショナル 2008/05

以前、『構造改革の真実』をご紹介しましたが、それを学生の教科書としても使えるように、経済学のエッセンスを加えた本になっています。格差社会の話になると、何かとたたかれる竹中さんですが、経済学の教科書的なことを淡々と言ってきているのだなとは、思います。

参考になるのは、やはり、大臣を経験し、政策決定に参加した経験の話です。たとえば、

経済学の世界では、基本的なモデルを精密化して、美しい経済モデル体系にしていくことが常である。(中略)しかし、最終的に一つの政策判断をしなければならないというときに基礎になるのは、必ずしも精緻化されたモデルではなく、諸外国の実例である場合が多い。p.286

しかし、こうしたことは、実は、大臣にならなければわからないものでもないそうです。たとえば、慶應の曽根教授の話。

私が閣内にいたときのはなしだが、あまりに政府内の事情をよく知っているので聞いたところ、「ほとんど公表情報に基づいています」という答えが返ってきたので驚いた記憶がある。p.288

最近、衆議院TVや議事録読むようになったのですが、政治に関しては、膨大な情報が公開されてますね。ようは、「見方」を磨く必要があるんですね。

いい言葉と思ったのは、「夢見ながら耕す人になれ」

竹中さんの考えるリーダーの条件は、以下の4つ

  1. 王道を行く
  2. 瞬時の判断力
  3. 直接対話の力
  4. 愛嬌の力

また、格差の本を読もうと思います。

では。

 

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌