ビル・エモット 日経 2008/6
元エコノミスト誌編集長によるアジア経済論。日本人は、インド、中国、日本を三国志にたとえる気はないと思うのですが、ジャーナリスト的には、そう位置づけたいんだろうなぁという本。
中国は2007年に、地球温暖化と異常気象の原因になっていると科学者が考えている温室効果ガスの最大排出国アメリカを追い抜いた。中国の温室効果ガスの排出量は、絶対量で日本の4倍であり、単位GDPあたりでは12倍になる。P.203
中国の排出量の増加は、単位GDPあたりという尺度では、先進国よりもずっと汚いが、人口一人当たりで見るなら、ずっとクリーンである。P.226
インドも似たようなものなのですが、両国とも、広大な国土と資源大国なのですが、人口あたりでみると、「資源小国」になる。そこが、一人当たりGDPをあげてくるのを世界は反対するわけにいかず、全体で見ると資源の奪い合いになってしまのう。これは、アジア三国志というよりも、世界経済で起こっている問題の核心なのだと思います。
では。
【参考】
・日経 7/13 P.21 立命館大学 高橋教授が書評。