21世紀の三角貿易

日経に「米短期国債利回りが初のマイナス」という記事が掲載されました。世界経済の今後を占う鍵が、米債利回りなので、興味深く読みました。

世界経済の流れを自分で整理していたら、こんな感じになりました。

サブプライム前のお金の流れ2007年の夏までは、先進国のアウトソーシングが新興国に続きました。そうした受託生産増や、資源高によって、新興国はお金を稼いだのですが、自国で運用できず、先進国に投資しました。

この結果、先進国の長期金利は軒並み低下。世界的な資産バブルを生み出します。

この資産効果で先進国はより多くのモノを新興国から購入し、現代の三角貿易がグルグル回るようになりました。

その資産バブルがはじけるとどうなるか。

 

サブプライム後のお金の流れ

サブプライム後のお金の流れ

 

 

今は、先進国の金融市場がメタメタになって、先進国の実態経済が悪化しだしています。

来年以降は、逆資産効果が、新興国の実態経済にまで波及するでしょう。注目点は、これまで新興国から先進国に流れていたお金。これが本格的になくなってくると、先進国の通貨が下がり、長期金利があがる。そうすると、さきほどの三角貿易の流れが逆スパイラルに入りますので、止まらなくなる。

もうひとつ、気になるのが、「先進国-カネ」の象限は、急速に調整が進んでいますが、「新興国-モノ」の象限の調整は、どう進むのか。雇用情勢の悪化で社会が不安定になりますが、その対策は? そもそも、縮小均衡するためには、生産能力を下げる必要がありますが、戦争に頼らずして、どのように進めるのか。このあたりが、来年の焦点とみています。

では。