最終回を観ました。風林火山もそうですが、NHKのドラマがいいですね。世界フィギュアの裏だったので、視聴率は7%だったそうですが、視聴率では測れない完成度をもった作品でした。
ストーリーは、真山仁さんがしっかり取材をしていたので、金融界の方でも、楽しめるものになっています。ハゲタカ=悪と決め付けないドラマは、初めてですかね。IT企業がホワイトナイトになるあたりは、ちょっとどうかなと思いましたが、演出の範囲でしょう。
キャストもよかったですね。大森 南朋さんは、利益最大化に徹しきれずに揺れていく様を丁寧に演じていました。
柴田恭平さんが、組織の中で悩む役を演じ切るというのは、新たな発見でした。
文太さんは、ごぶさたでしたが、車から降りてくるだけで、拍手したくなりますね。すごい役者だと思います。
栗山千明さんが、ちゃんと芝居してました。さすが資生堂、女優を見る目は確かでした。
「華麗なる一族」と比べると、日本の事業金融が変わったのがわかります。小説 日本興業銀行の世界では、企業の業績が傾くと、銀行が救済していました。大きなリスクを取ったにもかかわらず、リターンは限られたものでした。
経済原理というよりも、債権回収、あるいは金融村の掟にしたがっていたんですね。しかし、今の時代、このリスクを取るには、エクイティによる回収(リターン)がなければ、株主が納得しなくなりました。
いま、メーカーの方が、このドラマを観て、何かを感じたなら、日本の製造業は新しい時代に入っていくかもしれませんね。
再放送がたぶんあるでしょう。見のがした方は、ぜひ。
では(^^)/^
【追記】
・ハゲタカ DVD-BOXが出るそうです。
・ハゲタカが、放送文化基金賞の本賞を受賞しました。
・The Vultureが、Asian Television Awards 2007で、Best Drama Seriesを受賞しました。
【参考】
・企業買収ドラマ 異例の反響?NHK土曜「ハゲタカ」
・「材料で勝つ:「ハゲタカ」は悪魔なのか、救世主なのか」日経BP 2007/3/27