
マーケティング10の大罪
フィリップ・コトラー 東洋経済 05/2
マーケティングの大家コトラー教授によるマーケティング活動点検の書。Ten Deadly Marketing Sinsとは以下の通り。
1.市場の定義が不明確で顧客主導になっていない
2.ターゲット顧客を十分理解していない
3.競合に対する認識が不足している
4.利害関係者との関係を適切に管理できていない
5.新たな機会を見出せていない
6.マーケティング計画策定プロセスに問題がある
7.製品やサービスを十分に絞り込めていない
8.ブランド構築力やコミュニケーション能力が低い
9.マーケティングを効果的・効率的に推進できる組織になっていない
10.テクノロジーを活用できていない。
会社で働いたことがあれば、思い当たる問題点ばかり。人間の集合体である以上、こうした点を定期的に淡々と点検していかなければならないんでしょうね。
「ひらがらで考える商い」と比べると、さすがに専門用語の乱発にはなってます(笑)。が、言わんとするところが共通しているのが興味深いですね。
一方、2冊を並べて読んでいると、宗教の本を読んでいるようでもありますね。人間の罪「Sin」(弱さ)を並べて、こういう風に生き行かなければいけませんねと牧師さんが話しているようにも思えます。
さらに、比較文化の勉強にもなりますね。「モノを売る」ことを、ヨーカ堂伊藤さんは「体得するもの」とし、コトラーさんは論理で表現する。
いずれにせよ、自社のマーケティング活動を映す鏡として好著です。
では。(^^)/^