ヨーロッパ今昔物語

久々に欧州を歩いてみて、いろいろ反省することがありました。50歳になると頭が固くなりますね。一番反省したのが、欧州が成長しているのを見逃していたことです。下図は、欧州連合の29カ国のGDPを単純に足したものです。

IMF WEO Oct 2018

どうも、私の印象は、年率1.9%ほどしか成長していなかった90年代で止まっていました。成熟国、移民問題で揉めている。EU官僚主義など、前向きな印象はありませんでした。しかし、ユーロ発足以降はどうでしょうか。再び、年率6%以上の成長しているように見えます。新しく加盟した国の古いデータがないため、このように見えるのかもしれませんが、古株のドイツ、イギリス、フランスなどもしっかり成長しています。

原因はいろいろあるでしょうが、市場統合が経済によい影響を与えたのは間違いないと思います。11月にもお伝えしましたが、かつての欧州を知っているオジサンには、アムステルダムでSIMを買えば、域内のどこの国に行ってもが使え、シンガポールのクレジットカード(ユーロ建て)でキャッシュレスに支払いができるというのは、驚異でしかありませんでした。飛行機移動は、「国内便」でした。EUの負の側面ばかり、新聞は報じますが、この成長を見逃したのは不覚でありました。

アムステルダムは特にですが、移民の受け入れが進んだのも実感します。私と同世代であれば、その昔、パリでマクドナルドに反対運動があったとか、フランス人が英語話さなかったとか覚えていると思います。それが、オランダでは、東洋系の人にも毎日会いますし、 スリナムのコミュニティも根付いています。ヘジャブを来た女性も多いです。アメリカの高成長を支えたのが移民を受け入れたからであれば、同じ理屈を欧州に感じないのは、オジサンの頭が堅いからと反省いたしました。

Thailand のGDPは4500億ドルに対し、the Netherlandsは9100億ドルとほぼ倍。

タイに日本人が72千人いるのに、オランダに9千人しかいないのは、日本からの距離だけではなく、我々世代の認識が甘いのではないでしょうか。

では。