この命義に捧ぐ

この命義に捧ぐ  門田 隆将  2013 集英社

根本博(1884-1967)陸軍中将の伝記。1945年8月15日の日本の降伏時、北支那方面軍司令官。ソ連軍の非道さを憂慮し、武装解除を拒否。数万の部下と在留邦人の生命を守るため、徹底抗戦しました。

 この時の蒋介石の支援を恩義に感じ、蒋が国共内戦で危機に陥ると、密航して台湾に渡り軍事顧問を務めました。金門島の防衛作戦で共産軍の上陸を阻止し、国民党唯一の勝利に貢献。外国人の力を借りたことから長らく事実が伏せられていました。

 台湾有事というと、日本のシーレーン防衛のように思いがちです。そもそも台湾の成り立ちに日本の軍人が関わっていたことを知れば、また違ったように見えてきました。