円が対ドルで最高値を更新しそうなので、チャートを振り返ってみました。
資料:日本銀行
赤線: USD/JPY 左軸。 青線:実質実効為替レート、2005=100(右軸)
95年は実質実効レートも最高値だったのに対し、今回は実質実効レートがだいぶ下がったところで最高値を目指している点。
イメージ論ですが、実質実効レートは日本の国力を表しているようにみえますね。95年がピークで、日本は世界史から姿を消していっているように見えます。短期的には輸出産業の対策も重要ですが、長い目でみれば、日本の通貨が弱くなっているのが問題ではないでしょうか。
もう一つ面白いのは、影になっている景気後退期に実質実効レートが跳ね上がっていること。信用収縮が起こって、デフレになっているときには、なぜか円高…。実質レートですから、デフレになると増価するのはわかるのですが、GDPデフレーターでも、1%前後のことですから、このジャンプは説明できないですね。輸出が打撃を受けて、ドル売りが減る?そんな時代でもないですね。
今回のCurrency Warsをみても、国内が不況になると通貨安にして景気テコ入れを図るのが常道なのに、なんとイサギの良い日本政府(笑)。軍事力・外交力の低下のチャートにも見えてきました。
では。