24年後のアンコール

24年ぶりのシュムリアップには、立派な空港ができていた。年間利用者は347万人。首都、プノンペン空港より多い。役人のいない税関を抜けると、Grabでトゥクトゥクが呼べた。ホテルまでは10分=6 USD。

ホテルに着くと、ボーイが荷物めがけて突進してくる。カンボジアの一人あたりGDPは1,500 USD。シンガポールの40分の1。従業員がやたら多いのもむべなるかな。

中心街を歩く。何ひとつ思い出せない。観光以外にビジネスが起こってい気配はない。屋台の価格表示は、USDのままだ。1 USD = 4,100 カンボジア・リアル(KHR)。お札はきれいになったが、誰も信じていない。

カンボジア料理の店で、ランチを食べる。メニューはUSD建て。クレジットカード未対応。100 USD紙幣で払ったら、シワがあるということで、拒否された。

床屋へ。カットは3 USD。髭剃りを付けると5 USD。理髪師の腕は悪くない。バリカンで手際よく切っていく。しかし、髪型は軍隊調。カミソリの刃は安物で、常温の水で剃っていく。 志賀直哉の『剃刀』を思い出した。

街には、スーパーもでき始めていた。地元のアンコール・ビールは、350ml缶が60セント。アルコールが安いのはありがたいが、失われた四半世紀を目の当たりにすると、ほろ苦い味となった。