パリ国際農業見本市で、マクロン大統領が農家から罵声をあびました。
オランダに住んでから、フランスの農家が過激なデモをするのは見慣れましたが、農産物展示会に乱入して大統領に「嘘つき」とか「消え失せろ」とか言うのは、改めて文化が違うなと思いました。ある意味、彼らは一人一票を心の底から信じているのだろうと。
マクロン大統領は、国立行政学院(ENA)卒業生。オランド政権から10年以上にフランスの政治に携わっています。その人を目の前にして、罵ることができるというのは、農夫であろうと、大統領であろうと同じ有権者だと考えているのだと思います。
岸田首相の支持率は、過去最低水準です。しかし、農業を盛り上げようと、東京農林水産フェアのテープカットをしにきた首相に、農家の団体が乱入して面罵するというのは、ちょっと考えられません。首相の悪口を言う人は数え切れないほどいると思いますが、面と向かって罵倒するのは、また違うことです。どこか礼節がブレーキをかけるのではないでしょうか。
稀に、そうした人がいたとしても、社会からの支持は得られないでしょう。今回の騒動をフランスの有権者が支持しているわけではないでしょうけど、少なくとも、大統領に言いたいことを言う権利は、全員にあるとは思っているのえはないかと感じました。
では。