【本】有望市場『生活産業』の研究 藤澤研二

有望市場『生活産業』の研究
藤澤研二 弘文堂 2008/10

元長銀総研、藤澤さんの最新作。日下さん以来、「生活産業」の研究は、お家芸ですね。いまでは、違和感がないほど、受け入れられる概念になりました。

チャートを使って丁寧に解説してくれています。この手の産業は、データがありそうでないので、助かります。
たとえば、「図表 序-7 サービス項目別支出額と増減」 家計調査のデータ(00vs06)を比較し、支出が伸びている項目がわかります。一番伸びているのは、温泉・銭湯入浴料なんですね。しかし、金額は小額です。
一番、支出が大きいのは、教育娯楽サービス。次が外食。家賃・地代よりも大きいんですね。
「図表2-1 食産業の構造」では、80兆円にもなる産業構造を図示してくれています。国内生産は、15兆円。それが、さまざまな流通経路を経て、生鮮食品等(15兆円)、加工品(41兆円)、外食(24兆円)となります。途中で付加価値がつくからなのですが、興味深いのは、流通経費。2.6兆円にもなりますね。0.1%改善できれば26億円ですか。成長余地がありそうですね。

図表2-3 コメと野菜の内食率」では、世代別の内食率(生鮮素材購入量÷平均消費量)が示されています。コメだと、70歳以上が84.8%内食なのに対し、29歳以下は38.9%。農政について、世代を超えた合意を得ることは、難しいのがわかります。

では。