大内範行 インプレス 2008/2
リスティング広告のノウハウ本。インプレスの本は、デザインが美しくて読みやすいですね。リスティング広告は、だいぶ浸透してきましたが、効果を上げる方法は、まだ整理されていません。そもそも、そういうノウハウが定着しないように、検索エンジン側が変化しているかもしれないのですが。本書は、その中でも重要な100の法則をわかりやすく説明しています。
たとえば、オーガニックとキーワードの違いについては、「別のユーザーを連れてきている」P.64と解説しています。ランディングページの最適化については、画像を活用すること提案しています(P.126)。「カニ 通販」で検索した先のページには、やっぱり、ズワイガニの写真に待っていて欲しいわけですね。
これから本格的な普及期を迎えるにあたって、当然のことながら、競争が激しくなり、コピーのできや、広告管理の優劣によって、売上が左右されるようになることを予感させます。中小企業が本来やるのは、製品やサービスの質を上げることなのではとも思いつつ、かつては大企業にしかできなかった広告ができるようになったのですから、それなりに取り組んでいくべきなのでしょう。
しかし、ここまで複雑にになると、カタギの方が、24時間ウォッチするのは無理ですね。広告代理店に活躍の余地があります。税法が毎年コロコロかわるからこそ、税理士がありがたがられるのと同じことですね。パイが限られている市場での消耗戦となれば、儲かるのはAdwordsとOvertureだけとなりかねません。シビアに損益分岐点を見ながら、出稿できるかが鍵でしょう。
いずれ、リッチコンテンツを介した広告にSEMも進んでいくでしょうが、しばらくは、テキストベースの戦いになりますね。俳句文化のある日本人にとっては、文字数制限がある広告スペースの方が、燃えたりするんでしょうか。中小企業の経営者は、再び、「言葉」を大切にする必要がありそうです。
では。