マハティール・ビン・モハマド 日本経済新聞出版社 2013/5
世界最高齢の指導者の回想録。まさか、追記が必要になろうとは、思ってなかったでしょう。Tun Dr. Mahathir (TDM) の2.0 は、どうなるでしょうか。マレーシアに事業展開する方には必読書です。
彼は、初の平民出身首相なのですね。それまでは、王族などの首相が続いていました。
首相についてからは、協力な経済政策と国際社会への発言が印象に残っています。
国際社会に対しては、世界経済の発展のためには発展途上国を平等に扱うことが必要だと、私は主張してきた。世界で優越的な地位を保ち続けたい欧米諸国とはしばしば意見がぶつかる。けれども、私は弱者に配慮した世界秩序の構築が世界安定の条件だと考えており、譲るつもりはない。p.188
アメリカのGDPは18.57兆ドルで、北朝鮮が0.01兆ドルとすれば、平等に扱うことが難しいのはわかりますね。
微笑ましいのは結婚の件。p.211 後に独裁者と言われる首相が、奥さんに対しては、まるで、なっていません。
元財務相へのかつてのコメント。p.126
世界中から注目されている中で、私を悪魔呼ばわりしたアンワルだけは許すことはできない。
TDMが、こう言った事実は、消えませんね。今回は、どうなるでしょうか。
武田薬品との交流は、p.232。1961年に来日したマハティール夫妻を丁寧にもてなしたことが書いてあります。日本最大のM&Aを実施する同社に同じおもてなしの心がまだ残っているでしょうか。
では。