【本】石つぶて

石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

清武 英利 講談社 2017/7

外務省機密費流用事件の事件簿。同じ官僚を追う時に、警視庁の特徴がよく出ます。『特捜検察vs.金融権力』に似た読後感でした。

捜査第2課は、汚職や詐欺、横領、背任、選挙違反などの知能犯事件追求する部署である。捜査員は1999年10月時点で総勢382人。p.46

職務は、

体制を外から破壊するのが革命ならば、サンズイは内側から体制をじわじわと蝕んでいく。それを摘むのがお前たちの仕事だ。p.46

当時の担当者は、高卒の現場の叩き上げで、家庭も顧みずに仕事に打ち込んでいます。時代とともに警察も変わると思いました。地道な証拠集めを通じて、犯行を浮かび上がらせる過程が印象的でした。
外務省については、他の本でも書かれているんで、あまり新しい情報はありませんでした。エリート組織の弱さは、どこも同じという印象です。

では。