ユリウス・カエサル ルビコン以後
塩野 七生 新潮文庫 2004/8
なぜか、この巻だけ違う本のよう。1000年続く国の物語も、たったひとりの男の登場によって、違う彩りに包まれてしまう。不思議なような、当然のような。
初めて知ったのは、カエサルが40歳まで、それほど業績を残していなかったこと。アウグストゥスを後継者として選んだ選球眼。そして、クレオパトラとの物語。
優れた男は女の意のままにならず、意のままになるのはその次に位置する男でしかない、という問題に直面したのではないか。この問題にどう対処するかで、女の以後の生き方が決まってくる。意のままにならなくてもそれでよしとするか、または、器量才能では第一級とはいかなくても、意のままになる男を採るか。下p.153
キリスト教が広まる前のヨーロッパの結婚観も、現在とは大きく違っていて興味深かったです。
では。