【本】100日で結果を出すM&A入門

100日で結果を出すM&A入門

大前研一 プレジデント社 2017/7

企業買収後の統合についての本。投資銀行業界にいる人には、常識かもしれませんが、事業会社にいる企画部の人には、参考になるのではないでしょうか。
題名は、元GE CEOのジャック・ウェルチ氏の言葉から来ています。最初の100日を逃すと、取り返すのに3年かかってしまいます。題材は大企業中心ですが、具体例も豊富です。松下電器もM&Aで成長した会社だったのですね。p.21
権限委譲については、p.67

「あなたにはこういうことを期待しています」というKPIをきちんと伝え、その範囲で任せるということをしなければならない。それで、任せたら余計なことは言わず、年に1~2回レビューを行って「これは非常によくできているが、これについてはできていないので、来年は直してほしい」と伝える。

JTと旭硝子は、後半に詳細なケーススタディとして掲載されていました。JTは、「平時は分散、有事は集中」の原則に照らし、買収は有事ということで、トップマネジメントがコミットするのだそうです。p.118 100日で統合計画は自社で行ったとか。外部に頼むと、あとになって、できない言い訳になるからだそうです。
賞与は、個人評価をいっさい入れずに会社評価だけで決めるのだそうです。p.128 昇給、昇格は個人評価。こういうのも、ひとつのやり方ですね。

では。