【本】官僚


飯島 勲 青志社 2012/01

 小泉首相秘書へのインタビュー。プレジデントの連載に近いですが、大下さんの質問に応える形で、現在の政治問題についても語っています。

 実務を知っている人ならではの話が収められています。首相自らが動くことの是非。p.141

小泉首相がお盆の時期に箱根に行ったことがあります。わたしが事後に調べてみますと、静岡県警察本部の警察官が延べ1200人以上出動した状態でした。

 被災地の対応については、たとえばp.132。

総理が現地に行くのは、補助金をはじめ、法的措置で手を差し伸べる根拠がないところに限られます。

政治家になりたいという子供が増えていることについては、

政治家の仕事は、テレビに出ることではありません。見えないところで国民のために誰かが働いています。この側面がどれだけ大事か。そういう政治家が見当たらなくなってきたことが日本の問題です p.230

 というわけで、玄人筋の解説ですので、好き嫌いはあると思います。政権交代で、「フレッシュ」な政権運営を見続けた日本国民にとって、官僚を是としてフル活用する玄人政治に戻るかどうかは、次の選挙のポイントになるのではないでしょうか。