世界制覇 (上)
前間 孝則 講談社 2000/04
日本の造船産業の戦後復興の物語。後のNTT社長となる真藤恒氏と米ナショナル・バルクキャリア(NBC)呉造船部を活写しています。
日本の造船業は、1956年には、建造量世界一を達成し、その後40年にわたり、首位を守りました。人件費が高くなった現在でも3位を維持しているのが、むしろ、驚異的といえるのではないでしょうか。
たとえが適切でないですが、今のイラクが10年で建造量世界一になれるかと考えると、改めて成長の凄まじさがわかります。
しかし、物語を読み進めると、そんな奇跡を産んだのは、ひとつひとつの合理的な判断だったとわかります。情報を集め、選択肢を吟味し、決断した後には、即座に実行する。言うのは簡単ですが、政治などがからんで、なかなかできないことですね。
ネット企業など、すぐにサービスを開始できる業種が増えてきた現在で、重厚長大の典型の産業から改めて学ぶことも多いと思いました。
では(^^)/^