日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方
リチャード・クー 徳間書店 2008/6
「麻生太郎氏の経済政策の理論的支柱」といわれる著者の本。持論のバランスシート不況について掘り下げて説明しています。しかし、『東洋経済 2008年決定版経済・経営書ベスト100』では23位。この順位が、財政政策にかかわる論争の広がりの無さを象徴しているように思えます。
クーさんの主張は、経済学者の眼からみて、論ずるに足りないのかもしれません。しかし、経済学の先生にもうちょっと大学の外に出てもらって、経済学部出身のサラリーマンにわかるぐらいの論争をやっていただかないと、日本の財政政策をどうするのか、「国民の意思」が作られないのではないかと思います。
給付金は是か非か。アメリカの財政出動をどうみるのか。そして日本は?
大きな岐路に立っている時期ですから、複雑な問題であることは承知の上で、わかりやすい対立軸を立てて、議論をして欲しいと思いました。
では。