欧州危機と家族類型

S&Pがユーロ加盟国の一部を格下げしました。家族類型の視点から、ユーロを見てみます。

17カ国のうち、最も多いのは直系家族。意外ですね。平等主義核家族かと思ってました。この17カ国が集まって話をする場合、意外に直系家族なノリ(権威主義的)になっているかもしれません。
 絶対核家族は、オランダだけですね。イギリス、デンマークはそもそも入っていません。「自由」に価値を置く絶対核家族は、ユーロのような縛りを嫌うのですね。絶対核家族は、自己責任と法的な解決を求めがちですが、この17カ国ではマイノリティになりそうです。
 共同体家族はフィンランドだけ。これは、家族類型というよりは、ロシアに対抗するという安全保障の要素が強かったのでしょうか。フィンランドは、「不平等」でなければ、「共同体」を守るという価値観は受け入れやすいのではないでしょうか。
 残るは、直系家族と平等主義核家族。この対立を軸としてみればよいでしょう。
 格下げにあっているのは、平等主義核家族ですね。平等にも重きを置くので、苛烈な競争原理は働きにくい。グローバル経済で勝ち抜くようなノリでありませんので、経済的には上向きにくい。一方で、自由も尊重しますので、他国からの干渉も嫌う。直系家族から見れば、「困ったチャン」でしょう。
 直系家族が、支援するとすれば、支援する側に権威を認めることが前提になります。かれらが「一族」であり、自分が「父親」と理解できれば、「子供」の面倒はみるでしょう。しかし、子供の教育にはとても熱心なので、あれこれ文句をつける。これが、平等主義家族からは、「上から目線」に見られる。そんなところでしょうか。

 こうしてみてくると、ユーロが揉めているのは、直系家族の国を(急いで)増やし過ぎたからかもしれません。
 こんなに家族類型(価値観・文化)がバラバラな地域で共同体を作るなら、「平等」に重きを置かねばなりません。かつてのローマ帝国のように、平等主義家族(フランスかイタリア)が主導権を握っていれば、なんとか丸く収まっていたかもしれません。
 しかし、どちらが「上」かはっきりしたがる直系家族が増え、発言力を強めたために、折り合いがつけれなくなったということではないでしょうか。

 平等主義家族なルノーは、直系家族な日産をうまく配下におけました。しかし、直系家族同士のベンツ=三菱は、どちらが上か決められずに解消されてしまいました。
 ユーロも、さまざまな施策が打ち出されてくるとは思いますが、問題の根源が文化層にまでさかのぼりますので、解決するには10年単位の時間が必要かと思います。

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