GMO寄付講座: GMOインターネット 熊谷社長

図解 一冊の手帳で夢は必ずかなう
 GMOインターネット(9449)の熊谷正寿社長の講演に行ってきました。

GMO寄付講座 第12回
2006年7月20日(木)18:00?19:30
早稲田大学 8号館 B102号教室

 この講座を寄付してくれた熊谷さん自らの登壇です。


1.GMOについて
 GMOは、「日本のインターネット部」を社是とし、連結対象になっている会社が27社、その他が40社の企業群。インターネットを利用している企業の3社に1社は、GMOの顧客。
 ドメイン登録、ホスティングでは、トップシェアになっています。ネット決済でも、楽天やiTunesが顧客なんですね。最近開業したGMOインターネット証券も、顧客が1万人を突破したそうです。
 10年間増収増益を続け、2006/12期は、売上高600億円、経常利益63億円の見込み。2009年には、売上高1000億円、経常利益200億円を目指すとのことでした。

2.1冊の手帳で夢はかなう
 『一冊の手帳で夢は必ずかなう』の話をしてくれました。やっぱり、この話になるんですね。いろんなところで聞いた話ですが、やっぱり20年前に手帳に書いたことを実現した本人が話すと迫力が違います。

 3つのステップとは、
 イ)やりたいことリストの作成 (Things To Do)
 ロ)ピラミッド図への整理   (Priority Sheet)
 ハ)未来年表への落とし込み(Time Line)

 熊谷さんは、数ヶ月で作業をこなしたそうですが、実は、なかなかこれすらできません。キリスト教的な単線的な時間感覚で、仏教的な輪廻転生感はないですね。
 
 自分の夢をハッキリさせることは、長い人生という航海の中で、北極星を持つということなんでしょう。
 
 そして、会社を経営するということを5つの要素で説明してくれました。

・夢: 社会生活を何にささげるのか。
・ビジョン:宝の山はどこにあるのか。
・フィロソフィー:何のために存在するのか。
・マインド:基本行動原理
・戦略:現在と夢のギャップを埋める方法

 経営者の仕事は、この5要素を「ism」として浸透させること。企業文化を創るということですね。

3.総括
 創業10年で上場できる確立は、1000万分の17だったんだそうです(新興市場整備前)。それができたのは、夢が明確だったからだとか。実際は、そんな簡単なものではないと思いますが、熊谷さんの場合には、確かにそうなので、説得力ありますね。

 最後は、以下の言葉でシメていただきました。

 夢があるから行動が起こる。
 行動は習慣になり、
 習慣が人格を形成し、
 人格が運命の扉を開く。

 「わらしべ長者理論」とでもいいましょうか。

4.感想
 こうして、文字にしてみると、結構、MBAっぽいですね。熊谷さんは、自分でたどり着いたのでしょうけど、アメリカ人に話しても違和感ないと思います。
 逆に不思議なのは、どうしてこんなにマジメ&論理的な方が、IT企業を最も成功させているのかですかね。スティーブ・ジョブズなどは、もっと感覚に頼ったところがあると思うんですが、熊谷さんには、そういうところはないですね。日本のネット業界って、実は、そういう方が、成功するのかもしれません。

 12回におよぶ貴重な講座を寄付していただき、本当にありがとうございました。

 ちなみに、この講座は、近々本になるそうです。また、来春に講師を変えて、同様の講座が実施されることも発表されていました。

では(^^)/^

【 参考】
日経ビジネス 2005/5/23 の熊谷社長インタビュー

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