GMO寄付講座: レックスホールディングス 西山社長

想いー三茶の焼肉、世界をめざす
GMO寄付講座に行ってきました。REX HOLDING 西山知義社長は、経営者として脂がのってるなぁと思いました。

GMOの寄付講座 第8回
2006年6月15日(木)18:00?19:30
早稲田大学 8号館 B102号教室
(株)レックス・ホールディングス(2688) 西山社長


 牛角、am/pm、成城石井などを傘下に収め、社員2300人、アルバイトが5万人の巨大グループに成長しています。M&Aで業容を伸ばしてきたと思っていましたが、成長の源泉が、社長にリーダーシップによる人材育成であることがよくわかりました。
1.独立前後
 実家は、不動産業を営んでいましたが、オイルショックで倒産。大学中退して、小さな不動産会社に入り、営業はトップの成績。
 21歳で独立するものの、人を雇うことで苦労。金庫にあった600万円
を横領されて、社員を全員解雇。その社員が別会社を立ち上げるという辛酸をなめます。
 プロの社員が働かないのに、アルバイトがなんでこれほど働くのかと思い、マクドナルドでバイト体験。自分が利益をあげることでなく、顧客や社員に喜んでもらうことが大切だったのだと気づきます。
2.牛角
 牛角の立ち上げで、印象深いのは、ビジネスモデルの意識とカイゼンです。前者でいえば、焼き肉=高級という概念を覆し、パートの活用、セントラルキッチンといったコスト削減で、低価格を実現した点があります。
 後者でいえば、文句を言うと、300円支払うという企業姿勢があります。顧客の声に耳を傾けるとはだれもが言いますが、対価を払う経営者は少ないです。
 これに加え、ステークホルダーと「Win-Win」の関係を作ったのも、大きいですね。仕入れ先に価格交渉するときには、牛角側がどんな努力をするのか、その結果、仕入れ先にどのようなメリットがあるのかを説明いたそうです。この結果、当時年商7億円だった肉の仕入れ先は、今では60億円にまで成長しました。
3.成長のマネジメント
 ここから、7年9か月で1000店という驚異的なスピード展開が始ります。西山社長には、専門家に任せる度量がありました。ベンチャーリンク(9609)と組むことによって、FC展開が可能になります。この時のポイントは、西山社長が、情報収集を続けていたことだと思います。店を経営するだけで大変なのに、日経ビジネスを読んで、しまむらやサンマルクを勉強し、そのフランチャイズを手伝っているベンチャーリンクを見つけました。当時の小林会長に、6百万円×20軒=120百万円が必要になるが、うまくいかなかったら、一生かけて払う?と聞かれ、Yesと即答したそうです。 
4.人財育成
 アルバイトのモチベーションをいかに高めるかという話で、年に2回開催されるフォーラムの話が出ました。KPIをきっちり測定し、店への権限移譲を行い、アルバイトに「経営」させているのに、ビックリしました。成長していることを感じられる仕組みが内部に組み込まれています。
 ここまでモチベーションが上がる理由として、理念への共感をあげています。
5.コンビニ
 西山さんのコンビニに対する見方は、非常に的確だと思いました。
・コンビニは、参入障壁が高い。
 800店ないと、公共料金の取り扱いができない。市場が飽和しているのに、新たに800展開するハードルが高い。
・3温度帯で、1日3回デリバリできる社会インフラは、コンビニ以外にない。
・サービスをするという意識が薄い
 発注の時間を削減して、顧客に奉仕しようという思いが少ない。

 そのほかに印象に残ったコメントは、以下のとおりです。

1.自分で成績をあげるのと、チームで成果をあげる能力は別。
2.近々、コーヒーチェーンを展開し、スタバを抜く。
3.組織風土は、共通の価値観と共通の危機感。
 理に沿った話ができるかどうかが大切。

 リスクを取る度量と、冷静な分析力が実にバランスが取れていると感心しました。

 では。

第9回  サイバーエージェント:藤田晋社長を読む

【参考】
Gyaoでのインタビュー
【関連記事】

1.グッドウィル 折口雅博会長
2.ディー・エヌ・エー 南場智子社長
3.フルキャスト 平野岳史社長
4.サイバード 堀主知ロバート会長
5.ACCESS 荒川享社長
7.ネクシィーズ 近藤太香巳社長
8.レックスホールディングス 西山知義社長
9.サイバーエージェント 藤田晋社長
10.USEN 宇野康秀社長
11.横浜市 中田宏市長
12.GMO 熊谷社長