GMO寄付講座: USEN 宇野社長

USEN宇野康秀の挑戦!カリスマはいらない。(株)USEN(4842)
 宇野康秀社長の講演に行ってきました。

GMOの寄付講座 第10回目
2006年7月6日(木)18:00?19:30
早稲田大学 8号館 B102号教室

 この講座を始める前の学生アンケートで人気No.1だったそうです。AvexやLivedoorに出資したこともあり、若い世代の支持は抜群です。講義の途中で、GyaOを見たことのある人を聞いていましたが、ほとんどの人が手を挙げていました。


1.USEN USENの強さは、その有線放送のケーブル網にあります。全国3000万本の電柱のうち、750万本にケーブルを張り、NTTに次ぐネットワークを持っています。
 これをベースに、光でのネット通信、コンテンツ、動画配信にまで発展させており、その昔、ソニーの出井会長が言っていたことを、実際にやったのは、宇野社長でした。
 それにしても、親が作った資産を引き継ぐ際に、800億円の借金に対して連帯保証を入れているわけで、経営者としての苦労を知り尽くしていると思います。
 メディアについても信念を持っているのは、意外でした。GyaOがやろうとしていることは、テレビ局が持っている編成権をユーザーに渡すこと。メディアが自由であるほど、国は発展するというビジョンを語ってくれました。
2.起業について
 自分の人生を語ってくれた後に、起業家になるための条件を話してくれたのですが、これが、セオリーを否定するものでした。
 素直な気持ちで、自分がやりたいことをやるというのは、セオリーです。
しかし、経営は、やりながら勉強すればよい。人脈は、地位が上がればできるようになる。ビジネスモデルは考える必要が無いなど、一見、突飛とも思えるコメントがありました。
 事実、宇野社長は、人付き合いが得意な人ではないそうです。しかし、あの人と付き合えばよいことがあると思わせることが、人脈を広げる近道であるのは、事実だと思います。
 また、最初に自分が考えたビジネスモデルで最後まで成功した社長も少ないわけで、多くの起業家は、試行錯誤を繰り返しながら、ビジネスモデルを変更しています。むしろ、変更する判断ができることが重要なのかもしれません。
 
【Q&A】
 規制緩和については、ややネガティブな考えでした。小泉改革以前は、緩和しなければならないことがあったが、今ではほぼ適正とのことでした。むしろ、ビジョンを持って、規制すべきことは規制すべきという発言は、意外でした。
 
 私は、「3年後にテレビのリモコンがどうなっているか」を質問しました。パソコンの世界は、GyaOが席巻しており、次のステップとしてはTVの世界をどうするかが課題だと思ったからです。
 答えは、3年のスパンではあまり変わらない。つまり、ネットを通じて映像を見る手段としては、パソコンが引き続きメインで、TVにまで波及しない。TVに波及するのは、10年の単位と見ているとの回答でした。
 経済産業省のイニシアティブについては、距離をおいたコメントがありました。
 
 日本から世界を席巻するITベンチャーが出ない理由については、スピード感の差で答えいました。たしかに、IT関連企業のビジネスは、コピーされやすく、最初か最高でないと生き残れないともいえます。
 
 社長の資質については、規模の大小に関わらず、やることは一緒とのことでした。「ああしたい」ということをシツコクいい続けることなんだそうです。ああ、社長は、こうしたいんだなと全社員がわかれば、社員が動くということなんだと思います。
 
 では。

第11回 横浜市 中田市長を読む

【参考】
宇野社長インタビュー
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10.USEN 宇野康秀社長
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