トラス政権が終わってしまいました。

トラス政権を辞任に追い詰めた「金融危機」の正体
長らく続いた低金利を背景にレバレッジが氾濫。「影の銀行」発の流動性危機の懸念が世界で高まる。
彼女が減税を発表したときには、驚きました。ウクライナ危機で物価が上昇しているときに、小さな政府を目指すことは、大きな賭けだったからです。国民がお上に頼りがちな日本ではとてもできない芸当で、さすが、絶対核家族国と思い、下落したGBPを買ってしまうほどでした。
しかし、庶民から暴投する光熱費のなんとかしてほしいという声には抗しきれず、財政的な裏付けのないまま補助金も打ち出したため、金融市場の支持を失ってしまいました。
振り返ると、サッチャー政権の凄まじさが実感できます。彼女が79年5月に就任した時の政策金利は、12%。消費者物価上昇率は75年の25%からは下落して12%ほどでした。

実質金利はゼロと言ってよいでしょう。そこで、彼女は財政支出を削減し、中央銀行は、年末までに政策金利を5%ポイントも上げて17%としました。
案の定、英国は景気後退に入り、プラス成長に戻るのは82年からでした。すさまじく荒い治療ですね。利上げは政治的に難しいことは、たとえば階代議士のツイッターからもうかがえます。

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野党議員が、国会で日銀総裁に超低金利を見直すことを提言しただけで、これだけの意見が寄せられています。与党、あるいは日銀が利上げに踏み切った時の怨嗟の声は、過去にないほど大きいのではないでしょうか。
高齢化の進んだ先進民主主義国では、年金と医療費が大きくなりすぎて、もう小さな政府をめざせなくなっているのではないでしょうか。絶対核家族なイギリス政府ですら失敗したのを目の当たりにすると、その思いを強くしました。
では。