佐藤 優、田原 総一朗 アスコム 2009/1
先日紹介したときは、右巻と左巻を間違えました。すみません。こちらが、経済を取り上げており、頭の整理に役立ちます。印象に残った点をノートします。
イスラムの人たちが抱く旧約聖書のイメージとは何か?それはソドムとゴモラですよ。
小泉さんや竹中さんという固有名詞は、重要ではない。共産主義が倒れたとき、日本でも新自由主義的な経済学が必要だったんです。
資本主義の分析者としてのマルクスの再評価と、近代経済学の限界の指摘。たしかに、貨幣とか株式といったものを、自明のもの、最初からあるものとして見てますね。
共産主義は、分配を声高に主張するが、入りをどのように大きくするかという視点に欠ける。解決策としては、資本家による再分配。それは、税制や法律の問題ではなく、エリートのモラルの問題としています。
世界の帝国主義化。特に、米ロの「王朝化」という視点は、重要だと思いました。アメリカといおう国を次のようにたとえているのが印象的です。
アメリカには二つの顔がある。一つは、『巨人の星』の星飛雄馬みたいな、目をランランと燃やした、まじめでバカ正直なアメリカ。もう一つは、『ドラえもん』のジャイアンみたいな、力が強くてまわりの迷惑を考えない乱暴者なんだけど、ちょっとお人よしみたいなところもあるアメリカ。p.66
9章の貧困問題では、島根、北海道、ロシアの例が印象に残りました。国(地域)によって、貧困層に何をするか変わるし、政治家の感度がものをいうのがよくわかります。
私も、ウランバートルに行ったときに、市場では羊を「モンゴル持ち」で運んでいるにもかかわらず、全棟セントラルヒーティングなのに驚きました。北国では、暖房が必需品であり、そこは政府が責任を持つんですね。
島根県内の道路は立派なのに、大阪に行く道路がないのは、竹下さんが飛行機を使っていたからというのは、笑えない話であります。
モンテスキューは『法の精神』で「中間団体こそが民主主義の基本である」といっている。(中略)国家に依存しなくても、飯を食べさせていけるという組織が必要だと思います。民主主義を担保するのは、じつは個人や市民ではなくて、教会や地域共同体などの中間団体なんです。p.274
うーん、整理しきれません。私も、誰かと議論をして考え直さねばと思いました。
では。