【本】スノーボール

スノーボール  ウォーレン・バフェット伝
The Snowball: Warren Buffett and the Business of Life
By Alice Schroeder

日本経済新聞出版社(2009/11)

どうしてこんなに長いのかはさておき、非常に興味深い本。ご存知、オマハの賢人、バフェット氏が初めて全面協力した伝記。タイトルが徳川家康のような言葉になっていますが、洋の東西を問わず、大きなことを成し遂げる人の心がけは、似ているのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=czWVUgyY80o

ミネソタ大学にいたときに、バークシャー・ハザウェイの年次総会へのツアーがありました。隣の州でありながら、車で6時間かかります。それでも、バフェット氏の肉声を聞くため、学生がツアーを組んでいました。それほど、アメリカ社会に影響力がある人なんですね。
偉大な投資家としての話しか聞いたことがなかったので、やんちゃな青春時代の記述に、親近感を覚えます。世界で指折りのお金持ちの原点が、やはり”work and save”であるのも、納得。
p.106には、Goldman Sachsのシニアパートナーとのやりとりが。

帰るときに、ワインバーグは私の方に手をまわしてきた。”きみはどの株が好きかな、ウォーレン?”
向こうは翌日には忘れただろうが、私は永久に憶えている。

これが投資の世界に入るきっかけだったんですね。
私も、20歳のころ、NYのとある会議でサザビーズの副社長から

“What do you think,Kenzo?”

と言われたのを思い出しました。
年をとると、タイム・マネジメントが難しくなるのですが、若い世代に声をかけるということは大切なことですね。

バフェット本人だけでなく、お国柄を示すエピソードも(p.219)

(バフェットは)14歳のときに所得税の申告をして、それ以来ずっと税金を払っていて、小規模なビジネスもいっぱいやっていた

日本だったら、20歳から年金払わすのはかわいそうとか言いそうです。

そのバフェット氏が、日本株に眼を向けていますね。ちゃんと自国のチャンスをみつけないといけません。

では。