【本】メガトレンド2010 ☆☆☆☆

メガトレンド2010
メガトレンド2010
パトリシア・アバディーン, 経沢 香保子
(Megatrends 2010: The Rise of Conscious Capitalism)
 スピリチュアルな部分がとりあげられているところに、9/11以後のアメリカの変化を感じます。7つのトレンドは、次のとおりです。


* The Power of Spirituality – From Personal to Organizational p.37
* The Dawn of Conscious Capitalism p.73
* Leading from the Middle p.115
* Spirituality in Business p.157
* The Values-Driven Consumer p.195
* The Wave of Conscious Solutions p.253
* The Socially Responsible Investment Boom p.303

P.55からメドトロニックビル・ジョージ瞑想するCEOの例として出てきます(P.118にも出てきますが)。詳しくは、彼の著書『ミッション・リーダーシップ』に譲りますが、ミネソタ大学のMBAにいたときに、彼がスクールに来てくれたのを思い出します。アメリカといえば、資本の論理に忠実な経営者のイメージがあったのですが、まるで牧師のような印象だったのを覚えています。
 また、P.83では、社会的責任を考える会社の例が紹介されています。
 

3Mは全社的に炭酸ガス放出に対して反対の立場をとっています。60カ国にある3Mの施設で温室効果ガクを削減しています。
 ゼネラル・ミルズ社は、マイノリティが経営するグローリーフーズ社と地域組織ステアステップイニシアティブの合弁事業に200万ドルを投資。ミネアポリスの中心部に、社員に投資して社内起業ビジネスと150種類の仕事を創出しました。

 3Mについては、P.97でも触れています。 

歴史の流れを変え、何か一つの産業分野を21世紀のモデルに変えられる企業といえば、ミネソタ州ミネアポリスとセントポールが本拠地の3Mしかないでしょう(いつも不思議に思うのですが、ミネソタは良い企業市民を生む風土があるのでしょうか?)。

 というあたりは、私がミネアポリスにいた時に感じていたことそのものです。
 意識の高い資本主義のメガトレンドの特徴をP.113でまとめた後、第3章のミドルからのリーダーシップでは、中間管理職の重要性を説きます。このあたりは、日本人は受け入れやすいと思います。

 非公式のリーダー、中間管理職の一匹狼が真の変化を作りだす(P.117)

 
 のだそうです。
 第4章では、精神性がビジネスに与えるインパクトが説明されています。

ミネアポリスでは、150人のビジネスリーダーからなる昼食会が月1回開かれ、カールソン・カンパニーズCEO、マリリン・カールソン・ネルソンのようなリーダーたちが、ビジネス面の決定に聖書がどのような指針を与えてくれるのか、というようなテーマでスピーチをしています(P.161)

そして、P.181では、ミネアポリス地域のハートランド・サークルが紹介されています。宗教がビジネスにこれだけ近いというのは、ちょっと驚きでした。

 ライブドア事件後の社会を考える上で、参考になる本だと思います。

では(^^)/^