日本のエンタメと食文化、その知られざる関係性をご存知でしょうか?
先日「マツコの知らない世界」で放送されたYAZAWAごはんの世界は、まさに日本ならではの現象です。アーティストと飲食店のオーナーがタッグを組むという発想は、海外ではあまり見られないのではないでしょうか。
そもそも、海外では飲食店の地位が日本ほど高くありません。食在広東とか世界三大料理(中華、フランス、トルコ)とか言いますが、ミシュランの星を持つ都市の上位4つのうち3つを日本が占めています。

https://sherwood.news/culture/michelin-stars-best-cities-foodies-told/
私たち日本人であれば、この3都市以外にも「隠れた名店」が数えきれないほど存在することを知っています。食文化がこれほどまでに深く根付き、愛されている国は、世界広しと言えども稀でしょう。
しかし、かつて、日本の邦楽も和食も、海外ではほとんど知られていませんでした。1989年にニューヨークに行った時、アメリカの若い人が「Sukiyaki」を知っているかどうかというレベル。1999年にミネソタで「生の魚?」と怪訝な顔をされ、刺し身を食べることはほぼ不可能だった時代は、記憶に新しいはずです。
それが今や、2025年のオランダではホテルのBGMで日本人歌手の声が流れ、アムステルダムのスーパーには当たり前のように「Sushi Deli」が存在する。食文化や葬儀といった、最も変化が遅いとされる分野でのこの急速な変化には、ただただ驚きを禁じ得ません。
この変化の波に乗じ、Yazawaごはんのようなコラボレーションを世界へ展開できれば、これは単なるブームに終わらない、新たな輸出産業へと育つ可能性を秘めています。かつては、日本から和食を欧州に持っていくのはコストがまったく合わず、夢物語でした。しかし、今は、各都市に和食レストランが根付き、Google Pixelのデモに見るように、スマートフォンで同時通訳が無料でできる時代です。まさに、グローバル展開の条件は整ったと言えるでしょう。
日本の持つ独特の「食」と「音楽」の融合、その無限の可能性が、いま世界に向けて解き放たれようとしています。私たちはその歴史的な転換点に立ち会っているのかもしれません。