LCCがASEANに与える衝撃

シンガポール、マレーシア、ベトナムを回って来ました。いろいろショックは受けたのですが、その一つにLCCがあります。下図は、ASEANの地図に日本を反転させて重ねたものです。

ASEANに日本地図を重ねたもの。緯度が違うので縮尺は正確ではありません。

緯度が違うので、縮尺が正確ではありませんが、東京とクアラルンプールを重ねると、ASEANのビジネス拠点は、日本の「国内」よりちょっと広い範囲ということがわかります。

昔は、安く移動しようとすると、陸路でしたので、時間がかかっていました。ところが、この度、「次はハノイに行こうと思う」と言うと、「Air Asiaか」と言われるほど、LCCが浸透していました。それもそのはず、衝撃的な安値です。

Air Asia と日本の国内線。11/8時点で12/1の値段をネットで調べたもの。1 USD = 80円として計算。

 

 

 

たとえば、クアラルンプールからシンガポールは343km。バスで行くと、5時間かかるところ、飛行時間は1時間。それが29ドルになっています。日本でいうと、羽田→金沢(小松)ぐらいの距離。普通料金は2万円を超えています。

残りの主要都市への移動も似たような価格で、日本の普通運賃に比べると数分の一の価格で移動できてしまいます。ASEANの人にとってみれば、時速700キロで走るバスができたようなものです。

日本企業からすれば、これまでは、タイ、マレーシアと国ごとに駐在員を置いて、担当していたものが、クアラルンプールに拠点をおいて、ASEAN地域をカバーすることができるようになるのではないでしょうか。AirAsiaの路線図を見ていると、ASEANが一つの国のように見えてきます。